ような感じとし

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ような感じとし

ってしまったようだった。肉体の感覚は麻痺してしまい、恐怖さえもが、亡霊にも似た不動の怪物像が力なくわたしを横見しているて、残っているだけだった。
 落下した石塊や、元の形をとどめていない砕石や、ありとあらゆる砂や岩屑《がんせつ》が散乱している平坦な場所に、わたしはついにたどりついた。両側には――およそ三十フィートの距離を置いて――堂々とした壁がそびえ立ち、遙か頭上は交差穹窿《グロイニング》になっていた。壁面に彫刻がほどこされているのはすぐにわかったが、その性質はわたしの理解を超えるものだった。
 わたしの心を一番捕えたのは、頭上の穹窿だった。懐中電燈の光も頂部まではとどかなかったが、途方もない大きさをした迫持《アーチ》の下部ははっきりと見えた。とどまるところを知らぬ旧世界の夢で目にしたものと、完璧に一致しているため、わたしははじめて実際に身を震わせた。
 背後の頭上高くにあるぼんやりした輝きは、外の世界の遙かな月光の存在を物語っていた。わずかばかりの用心深さがぼんやりと残っていたのだろう、もどるための導きをなくすことがないよう、この光を見失ってはならないという気がした。
 わたしは彫刻の跡が一番はっきりしている左手の壁に足をむけた。石片や岩屑が散乱しているため、前進するのは這いおりたときとほぼ同じくらい困難だったが、気をつけながら一歩一歩足を進めた。
 舗装がどんなふうになっているかを見るために、ある場所で石片をもちあげたり岩屑を足で蹴りのけたりしたが、ゆがんだ表面がなおもおおよそ結合を保っている八角形の大石の、その決定的な馴染深さにぞっとした。
 壁面近くに達すると、磨耗した彫刻の名残に懐中電燈の光をゆっくりと慎重に投げかけた。何か過ぎし日々に、水が流入して砂岩の表面に影響をおよぼしたように思えるとともに、わたしには説明することのできない、妙な付着物があった。
 石造建築物は場所によって極度にゆるんだりゆがんだりしており、わたしはこの隠された原初の大建築物が、大地の隆起をうけながら、これからどれほどの歳月にわたっていまの姿を保ちうるだろうかと思った。
 しかしわたしを一番興奮させたのは、彫刻そのものだった。歳月のままに崩れはてる状態にありながらも、間近にせまると比較的たやすく跡をたどることができた。そして細部にいたるまでの完璧な根強い馴染深さは、わたしのあらぬ想像力をほとんど完全に消し去った。この古びた石造建築物の主要な属性が馴染深さであることは、普通に信じられることを超えるものではないからだ。

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